2006/01/24

○死んじゃうかも？って思ったこと
―電車にひきずられる編　その2―

でね
突然
危機は訪れたわけ

当時の電車車体のはしっこにね
L字型のフックみたいのがね、ついてたの

それを見て「あっ、やばいかなぁ？」って一瞬思ったの
だから本当は『突然』じゃなかったんだけどね
「まぁ、だいじょうぶだろ」って思っちゃったの俺
でも、やっぱり、全然だいじょうぶじゃなかったの

カバンがフックにひっかかっちまいやんの！

「！！！」

グキッって腕がちぎれちゃうような衝撃を感じると
すげぇー勢いでホームを電車に引きずられる中2の俺

カバンのひもは腕にぐるぐる巻きになってるから
もうどうしようもないわけよ
駅に停車する電車とはいえ、結構スピードあるし

いくら経験値のすくない中2でもねぇ
すげぇー勢いで電車に引きずられながら
すげぇー勢いで考えるわけよ

ホームと電車の隙間にはさまれたら何か足とかもげちゃうかもっ！
足とかもげちゃうどころか、死んじゃうかもっ！
ってもう必死

生きるか死ぬかって状態なわけ

でもね、そういう極限の状態でも
意外となんとかなるのね
なんとかかんとか隙間に落ちないようにうまく引きずられてたわけ

でね、なんとかかんとかうまく引きずられていると
誰かが俺の脚にしがみついてきたの

俺のことを助けてようとしてくれたとてもいい人だと思うんだけどね
だけど、その人もね
「腕にぐるぐる巻きにしたカバンが電車にひっかかっちゃってホームをひきづられている人を助ける」ってスキルがなかったと思うのよ
まぁ、ないわな・・・

とりあえず俺は、「電車に引きずられちゃう」という危機的状況で白線の内側をなんとかかんとか死なないように、そして人に迷惑をかけないように引きずられてたのに、しがみつかれちゃったもんだから
ちぎれそうな腕がますますちぎれそうだし
ズボンがズリ落ちちゃって半ケツになっちゃうし
足にしがみついたいい人がホームに立ってる無辜の人をはじきとばしちゃうし

正直、ジャマ
なわけよ
いい迷惑というか、ありがた迷惑というか

あっ、すいません
いい迷惑は俺ですね・・・
命を助けてくれようとした人にそんなことを言ってはいけませんね

でもそんなこんなで、だんだん電車がゆっくりになって止まって助かったの
まぁ、助かったのはいいんだけど
ズボンなんてバリバリに裂けちゃってるし
半ケツだし
スリ傷だらけで血まみれだし
駅員さんとか集まってきちゃうし
なにより恥ずかしくて死にそうなわけよ

で、また中2でしょ俺
イタすぎる年頃
助けてくれた人にまともに礼も言えねぇし
まともに謝ることもできねぇし
「すいませんでした」ってボソリと言うのもそうそうに

走ってその場を逃げ出しちゃったの俺














半ケツで・・・

そのまま家まで走って帰ったね、あの時は
帰ってから、
「あー、俺生きてる！　良かったー！」
「もう絶対動いてる電車にカバンをこすりつけるのはやめよう！」
って思ったら、ガクガク膝が震えだしてとまらんかったなぁ
本当にあの時死んじゃわないで良かったわぁ

そんな中2のある日の出来事





ネタメモ
隣家がガス爆発でふっとんだことがある、これホント